1.はじめに
就職活動をしていて「まずはカジュアル面談から」や「カジュアル面談実施中!」という文言を見かけるようになりましたが、まだ新卒採用においてカジュアル面談という言葉は馴染みが浅いかもしれません。
カジュアル面談って何?面接とどう違うの?など、初めてのカジュアル面談を受ける方向けに企業とのやりとりの注意点や当日話すことをご紹介していきます。
2.カジュアル面談とは?
カジュアル面談とは、選考の前段階として企業と学生がカジュアルに情報交換のできる機会のことを言います。話した内容は本選考に影響することはなく、学生と企業が双方にとってのマッチ度を見極めるために活用することができます。
通常、選考を申し込むまでには
説明会参加 ▶︎ 選考申込 |
という2つのステップだけでしたが、
カジュアル面談 ▶︎ 説明会参加 ▶︎ 選考申込 |
カジュアル面談が入ることでさらに企業理解を深められるようになりました。
就職活動をしているとたくさんの企業の情報に接するので、どんな業界が良いのか・どんな職種が良いのか、はたまたどんな社風を持っている企業で働きたいかを固めるのが難しいですよね。
企業側としても人材を確保をしつつ、ミスマッチは避けたいという想いがあるため、まずはカジュアル面談を通して相互理解を深めようという流れが増加してきました。
3.カジュアル面談はどんな風に行われる?
カジュアル面談は下記の形式で行われます。
実施形式 | オンライン or 対面 |
所要時間 | 30分〜1時間程度 |
面談実施者 | 人事担当者・採用部署社員 |
服装 | 私服 |
提出物 | なし |
実施形式
面談の実施形式はオンラインもしくは対面で行われます。
新型コロナウイルス感染症の影響により、企業まで足を運ばなくても、好きな場所から参加できるオンラインの面談も増えてきました。
対面の場合、企業によっては担当者とランチをしながらよりリラックスした場で面談をすることもあります。
所要時間
30分〜1時間程度の企業が多いです。
企業の説明を聞いたり、質問しているとあっという間に時間が過ぎてしまうので事前に聞きたいことはまとめておく必要があります。
面談実施者
企業の人事担当や採用予定部署の先輩社員、もしくはそのどちらも同席している場合があります。
もし自分が採用されたら一緒に働くかもしれない相手なので、人柄を知ることもできますし、実際の業務のことまで詳しく聞くことができるので時間を有効活用しましょう。
服装
学生にリラックスして受けてもらうために、企業から指定がない限りは基本的には私服で問題ありません。
あくまでも就職活動の一環なので私服だからといってトレーナーやスウェットという「リラックスし過ぎ」な服装は避け、身だしなみを整えておくと良いでしょう。
「服装がよくわからない!心配だ!」という方はシャツやブラウスにジャケットを羽織っておくと安心です!
提出物
事前に提出するものはありません。
稀に企業側が事前に学生情報を把握するために履歴書の提出を求められることがありますが「基本的にはない」と思っておいて良いでしょう。
4.日程決め〜当日までの準備
カジュアル面談を受けてみよう!と思っても、何も準備なしで挑んではただ受け身のまま終わるだけになってしまい、企業のことを知れないだけでなく、自分のことを知ってもらうこともできません。
また、選考には影響がないからといって蔑ろにしてしまうと企業への心象は悪くなってしまいます。
自分が「ここに就職したい!」と思える企業に出会うためにも、当日までの準備は確実に行っていきましょう。
日程決め
カジュアル面談に申込をしたら、企業の人事や窓口担当の社員から日程調整の連絡がきます。
基本的には24時間以内に返信をしましょう。
企業はあなただけでなくたくさんの面談希望の学生と日程の調整をしています。なかなか返信がない場合、あなたの希望日程が埋まってしまうだけでなく、担当者も予定が組みづらくなるためスムーズなやりとりを心がけます。
また、企業が日程を提案してくれた場合・自分が日程を提案する場合どちらにおいても複数の日時を返答することが大切です。1日程しか返答していないと、タイミングによってはすでに担当者のスケジュールが埋まってしまっているかもしれません。
「●月◯日13:00〜14:00/●月✖︎日10:00〜12:00」というようにある程度時間に幅を持たせられるとさらに良いでしょう。
就活解禁をすると説明会でスケジュールが埋まってしまい、空き時間の調整が難しくなりますが、できる限り心がけたいポイントです。
▶︎ 日程調整で気をつけたいポイント
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5.事前準備
「カジュアル面談は気楽な場だから準備は必要ないのでは」と思われるかもしれませんが、それは違います。
また「就活の軸が決まっていないからとりあえず参加してみよう」という気持ちで面談を受ける方もいますが、いずれの場合にしても面談する企業に興味を持って、どんなことが得られたら良い時間になるかをイメージしましょう。
企業側も自社を知ってもらうだけでなく、あなた自身がどのようなことを考えているか知り、自社とのマッチ度を測りたいと考えています。今の自分が就職活動をするにあたって考えていることを整理しておくことも大切です。
カジュアル面談の日程が確定したら下記の3つを行いましょう。
▶︎当日までに行うこと
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①企業の下調べ
企業のホームページやSNS、採用ページを見て企業理解を深めましょう。
▶︎企業理解を深める際に見るポイント
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このような内容は企業を調べたらすぐに得られる情報です。
他にもさらに企業を知ることができる内容として、新聞や雑誌の掲載記事があれば読んでおくとさらに理解が深まります。
企業を調べてみて、どんなことに興味を持ったか、どんなことに心を動かされたかなどを留めておくと面談に入った時に担当者とコミュニケーションがしやすくなります。
②就職活動について考えていることの明確化
就職活動を始めたばかりの時は、どの業界も面白そうに見えたり、はたまた自分はこの業界で良いのかと悩んでしまうこともあるでしょう。他にもこの職種で自分はやっていけるか、働き方、働く場所など定まり切らないことも多くあります。
カジュアル面談では「まだ自分の中で定まっていないこと」があっても、実際に働いている社員の話を聞くことで明確にしていくことが可能です。
「自分はIT業界で働きたいと思っていますが、●●について不安に思っています。実際に働いてみて御社はいかがでしょうか?」など、興味を持っているけれど不安なことなどがあればメモしておきましょう。
就職活動の軸を定めるにあたっては下記の内容を参考にしてみましょう。
▶︎就職活動の軸を定める際のポイント(参考例)
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その他にも、こちらの記事にある自己分析をしてみるのもおすすめです!
項目を確認しながら「これは外せない!」「これは意識したことない」など考えが浮かんできたと思います。
特に「これは外せない」と思ったものがある場合は、就職してから大きなミスマッチにつながりかねないので、カジュアル面談の時点で確認しておくと良いでしょう。
③当日の環境・服装準備
カジュアル面談で確認したいことが明確になったら、当日面談が滞りなく行えるように環境や服装の確認をしておきましょう。
特に初めてのカジュアル面談の場合は、緊張で当日にゆっくり確認することができないかも知れませんので、前日までに確認しておくことが大切です。
服装
企業から指定されているものを確認します。カジュアル面談の場合は基本的に指定がない、もしくは私服で問題ないと言われることがありますが、前述した通りラフすぎる格好は面談に相応しくありません。
また、洋服にシワが入っていないかなどの確認も忘れずに行いましょう。当日に着用するものは事前にハンガーにかけておくなどして清潔な印象の服装にします。
対面形式の面談の場合は、当日のカバン・靴に汚れがないかも確認しておきましょう。
オンライン形式で注意したいこと
オンライン形式の場合は、場所を問わず参加できるからと環境準備が疎かになりやすいため注意が必要です。現在ではオンラインの授業なども増えたことでwifi環境は整っていることが多いと思いますが他にはこんな点にも注意を払いましょう。
WEBツールの確認 | ・所定URLの記載
・使用するツール:使用したことがないツールなど、心配な場合は事前に友人同士で使ってみることもおすすめです! |
画面の確認 | ・背景
自宅で面談を受ける場合は生活感が出やすいため注意が必要です。洗濯物がぶら下がっているなど、背景をぼかしていても目につきやすいため、あらかじめ背景に映り込むものは整頓された環境になっているかを確認しましょう。
・顔が暗くなっていないか 夕方に面談を受ける場合は部屋の中が暗くなって顔の写りが悪くなってしまうことがあります。照明があたり、顔がしっかりと見える環境であることを確認しましょう! |
バッテリーの確認 | 意外と盲点なのがバッテリー残量。
接続機器に充電が十分にある場合でも、バッテリーに繋いでおくほうが安心です。 |
対面形式で注意したいこと
対面形式となると、移動が必要なため時間に余裕を持って行動することが大切です。事前に面談場所や交通機関のルート確認を済ませておきましょう。
6.カジュアル面談の流れ
下記はカジュアル面談の流れの一例です。
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アイスブレイク・自己紹介
まず初めに、リラックスした空気を作るために自己紹介からスタートします。
面談担当者も学生が話しやすい状態を作ってくれるので安心してください。自分が答える時も、選考ではないので硬くなりすぎず話すよう心がけましょう。
学生の状況・ニーズの確認
状況・ニーズの確認では、就職活動の軸やなぜ自社(もしくは業界)に興味を持ったかなどを聞かれます。
まだ軸や業界が定まっていない場合、答えづらいこともあるかも知れませんが、どういったことで悩んでいるかを聞くチャンスでもあるので「自分は〜〜が魅力だと感じているが、●●さんはどうしてこの業界を選んだのですか?」など質問しても良いでしょう。
学生のニーズに合わせた企業の紹介
学生が考えていることがヒアリングできたら企業の紹介をします。
ここはある意味企業からの「自社アピール」の時間です。学生のニーズに自社がどう答えられるか、自社にどんな魅力があるのかを聞くことができます。
質疑応答
事前にリストアップしていた内容で聞けていないことがあれば質問しましょう。企業研究や話を聞いてみて気になったことがあれば率直に聞いて問題ありません。
学生からの質問だけでなく、担当者からも学生を知るための質問がくるので、会話をしながらお互いの理解を深めてみましょう。
今後の案内
カジュアル面談を通してお互いに理解が深まったあと、最後に今後の選考の流れや説明会への案内があります。企業に興味を持った場合は説明会に申込しましょう。
7.トラブルが起きた時の対処
どれだけ準備をしていても、不測の事態は起きてしまうものです。ここではよくあるトラブルとその対処について説明します!
体調不良になってしまった
できるだけ早く担当者に伝えましょう。
「治ると思って様子をみる」という場合もあると思いますが、結局直前でキャンセルしてしまうよりも早めに連絡をしておくほうが印象が良いです。
担当者に伝え、体調がよくなったらこちらから連絡し、再度日程調整を行います。
どうしても外せない用事が入ってしまった
他企業の選考が入ってしまうなど、やむを得ない予定が入ってしまうこともあり得ます。
その場合、すぐに担当者に連絡し、別の日程に変えてもらえるか確認しましょう。「他の企業の選考が入ったから」と伝える必要はありません。
オンライン面談で急にPCの調子が悪くなってしまった・繋がっているが音声やビデオが繋がらない
いざ面談が始まるという時にPCの調子が悪くなってしまうと焦ってしまいますが、落ち着いて対応します。
担当者の電話番号がわかる場合は電話をして相談をしてみましょう。オンラインのツールに繋がっている場合はチャットなどで状況を伝えるのも有効です。
状態によっては対処法を教えてもらい面談に入ることができます。もし直らない場合はスケジュールの組み直しになるので、このような自体が起きないよう事前にツール確認は行っておきましょう。
8.おわりに:運命の企業に出会うために最大活用しよう!
いかがでしたか?
就職活動において「面談」と聞くだけで不安な気持ちが出てきてしまうかも知れません。
しかし、カジュアル面談は企業にとっても自社の魅力を伝えるアピールの場であり、リラックスして会話を進めることのできる貴重な時間です。
カジュアル面談を受けることで、今までのファーストステップである説明会と違い、自分の考えを話しながら企業を知り・見極めることができ、より志望度を高く持った状態で選考に入ることができます。
人生で1度しかない「新卒」という機会。せっかくなら「ここで働きたい!」と思えるような場所に出会いたいですよね。
興味を持った企業がカジュアル面談を実施していたらぜひ積極的に受けてみてください!