「周りの友達がやってるらしいけど、どう始めれば良いかわからない」「そもそもOB・OG訪問って必要なの?」と疑問や悩みを抱える人もいるかと思います。
そんな人のために、この記事ではOB・OG訪問のメリットや準備から当日の流れまでを解説していきます。
OB・OG訪問って何?
「OB・OG訪問」とは、興味のある業界や企業で働いている先輩を訪ね、実際の仕事内容や社内の雰囲気などの情報を得て、「業界、企業研究」に役立てることです。
業界や企業に関する情報は、インターネットでも収集できますが、実際に働いている社会人から直接、仕事の実情や本音を聞くことは、他に代え難い貴重な経験です。仕事の喜びや苦労を当事者から聞くことで、業界や企業をより深く知るだけでなく、自分の働く姿をより具体的にイメージできるため、失敗しない就職へもつながります。
OB・OG訪問がどれぐらいの学生が行う?
マイナビの就職モニター調査(2023年卒対象)によると、就職活動を行う学生の4分の1ほどがOB・OG訪問を経験しており、訪問した人数については平均5.1人となっています。 また、OB・OG訪問をした人のうち70.7%の人が、その業界や企業の選考で次のステップに進みたいと感じています。
OB・OG訪問のメリットは?
社員の生の声を知ることができる
OB・OG訪問では、実際に志望企業で働く社会人が日々どんなことを考え、どんな目標に向かって働いているのかを知ることができます。
また、志望企業で働くOB・OGの具体的な業務やリアルな働き方、業界での立ち位置などについて質問することができるため、説明会などでは知り得ないことも知ることができます。
面接やESでの内容に厚みが増す
説明会や採用サイトの内容は、どの学生も志望動機や自己PRなどに盛り込みます。
一方、OB・OG訪問では実際に働く社員から具体的な業務、事業について話を聞くことができます。そのため、得られる情報の具体性が高く、場合によっては他の学生が知らない情報もあります。
したがって、OB・OG訪問で得た情報を面接やESに盛り込むことで、企業に対して「自社についてよく調べられている」といった良い印象を与えることができます。
OB・OG訪問の流れ
OB・OGを見つける
まず、代表的な方法は、学校の就職課・キャリアセンターなどにある卒業生名簿や卒業生データベースから探す方法です。「OB・OG訪問のために、連絡を取りたい」と相談すれば、閲覧の方法を教えてもらえるでしょう。
次に、自分の人脈から探す方法。ゼミや研究室、サークルなどの先輩たちに、OB・OG訪問をお願いしてみましょう。
また、アルバイト先、家族や親戚など、身近な大人の中にも企業で働く社会人はたくさんいるはず。志望業界でなくても、働く社会人の生の声は参考になりますし、本人だけではなく、友人を紹介してもらえれば、業界や企業も広がります。
アポイントをとる
メール、電話などで企業の人事担当、訪問する先輩とコンタクトを取り、訪問日時を決めます。電話をする際に気をつけたいのは時間帯です。一般的に忙しいと言われている、始業直後や終業直前は避けましょう。また、昼休みや夜遅い時間も控えましょう。
依頼メール
件名:「OB訪問のお願い(〇〇大学・名前)」
〇〇株式会社
◇◇部 △△課
〇〇様
初めてメールをお送りいたします。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇と申します。
本日は、大学のキャリアセンターで○○様のことを知り、OB訪問のお願いでご連絡を差し上げました。
現在就職活動中で、〇〇の仕事に関心があり、貴社の〇〇に大変引かれております。
ご多忙中とは存じますが、お時間を頂けるようでしたら、〇月〇日までの月曜日か金曜日で、
〇〇様のご都合のよい日時をお知らせいただけませんでしょうか。
上記日程でのご調整が難しい場合には、お手数ですが、
〇〇様のご希望の日程を2~3候補日としてお知らせいただけますでしょうか。
メールでの突然のお願いで大変恐縮ですが、
なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。
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名前
〇〇大学・〇〇学部・〇〇学科 〇年
携帯番号:090-××××-××××
メール:tarou@××××.ac.jp
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訪問準備をする
まずは先輩が所属する会社の基本的な情報を調べておきましょう。
ホームページを参考に、その会社が所属する業界、主な商品・サービス、取引先など、その会社のビジネスがどのように成り立っているのかについて、理解しておくと良いです。先輩の話に対する理解も深まりますし、より具体的な質問ができるでしょう。
また、OB・OG訪問の時間は限られているので、先輩にどんなことが聞きたいのか、事前に質問事項を整理しておきましょう。
訪問する
訪問当日は、到着連絡や万が一の遅刻のために、先輩の連絡先を控えておくようにしましょう。先輩にも自分の携帯電話のメールアドレスや電話番号など、当日連絡が取れる連絡先を伝えておきましょう。
訪問時のポイントは、先輩との対話を意識すること。準備してきた質問を一問一答形式でぶつけてしまうと、形式的になってしまい、話が広がらない可能性も。
訪問を受ける先輩は、就活の一助となるために基本的にはボランティアで話を聞く機会を与えてくれます。その厚意に甘えず、常に礼儀ある態度で接しましょう。
お礼のメールや手紙を書く
お世話になった人にお礼をするのは、社会人としてのマナー。
お礼のメールは、時間がたつとお互いに印象が薄れ、儀礼的なものになりがちです。当日中か、少なくとも先輩が翌日出社した時には届いているように、朝のうちに送っておきたいもの。
訪問を終えたら、相手に必ずお礼のメールや、手紙を送りましょう。
お礼メール
件名:「OB訪問のお礼(〇〇大学・名前)」
〇〇株式会社
◇◇部 △△課
〇〇様
お世話になっております。
本日、OB訪問でうかがいました、〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇です。
本日はお忙しい中、貴重なお時間を頂き、誠にありがとうございました。
〇〇様から直接お話をうかがったことで、
〇〇に大変魅力を感じました。
また、〇〇様のようにお客様のことを第一に考え、結果を出せる人材になりたいと思いました。
このたびのOB訪問を経て、〇〇業界への理解がより一層深まりました。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
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名前
〇〇大学・〇〇学部・〇〇学科 〇年
携帯番号:090-××××-××××
メール:tarou@××××.ac.jp
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OB・OG訪問では何を聞く?
OB・OG訪問を実施した先輩たちがメリットとして感じていた、会社や仕事内容について、より深く理解できるように聞いていきましょう。
なお、ホームページを見ればわかるようなことを聞くのに時間を使ってしまってはもったいないです。先輩自身がどんなことをしているのか、どんなふうに感じているかなど、直接聞かないとわからないことを聞くのが良いでしょう。
また、先輩がどのようにしてこの会社を選んだのかを聞くと、その会社のこともよくわかりますし、同業他社との比較や、就活のヒントになることも聞けるのでオススメです。
注意すべきポイント
遅刻厳禁
OB・OGは忙しい中、時間を割いて会ってくれています。遅刻は絶対してはいけないが、万一、電車が遅れそうな場合などは、早めに連絡をして、きちんと謝罪をしよう。
待ち合わせ場所(場所は事前に確認)
会社内が基本だが、喫茶店などを利用する場合もあります。
名刺の受け取り方
OB・OGから名刺を渡されたら、両手で胸の高さを保ちながら、「ありがとうございます」や「頂戴します」などと言って、ていねいに受け取ります。いただいた名刺はすぐにはしまわず、右側に置いてください。
質問準備の留意点
あらかじめ、自分自身で企業研究をし、質問のポイントを絞っておく。 効率的に情報収集ができるよう、想定できる会話の流れを作っておく。
ただし、OB・OGが回答しにくい抽象的な質問は避けること。
注文
レストランやカフェを利用した場合
迷ったら、「先輩は何になさいますか?」と聞き、OB・OGの注文したものよりも若干安めのもの、もしくは、「同じものをお願いします」で注文をします。
会計時
レストランやカフェを利用した場合
基本的には、OB・OGが支払ってくれることが多いが、自分も支払おうとする気持ちは持っておくことが大切です。
「ごちそうさまでした」「ありがとうございました」と心から感謝の言葉を述べるようにしましょう。
まとめ
OB・OG訪問は企業や業界の理解が深まるだけではなく、普段聞けないリアルな働き方を知ることができるなど、メリットがたくさん存在します。
ぜひ、この記事を参考にして、しっかりと準備を進め、OB・OG訪問のメリットを最大限に享受していきましょう。