近年、注目が集まる介護職ですが、その仕事内容については詳しく知らない、という方も多いと思います。この記事では、介護のお仕事について、実際の仕事内容から給与、志望動機の書き方をご紹介いたします。
介護職とは?
「介護職」をひと言で表すなら、「介護保険サービスの担い手」です。要介護者(日々の生活において、ほかの人からの介助を必要とされる方)の、その人らしく、いきいきとした暮らしを実現するために、日常生活の援助を行うプロフェッショナルが、介護職なのだと言えます。
現状
『三井住友銀行「介護業界の動向」』によれば、高齢者の人口増加に伴い要介護認定者数は増加傾向にあります。
こうした傾向は2040年頃まで続くと考えられており、介護業界のニーズはこの先しばらく伸び続けていくと想定されます。
ただし、業界規模が拡大していくことに伴い介護業界では人材不足が問題となっており、国内の高齢化が進んでいることも相まってその問題はさらに深刻なものになっていく見込みです。
そこで大手各社は効率化を推進しており、たとえばセントケア・ホールディングは介護ロボットの企画・販売事業を展開することで介護業界の効率化に働きかけています。
また他にも大手各社は「介護サービスの質の向上」「介護保険収入以外の収入源の確保」などに動いており、SOMPOホールディングスは認知症症状を疑似体験できるバーチャルリアリティを使った研修を実施することで、認知症ケアスキルの向上を目指しています。
介護職の仕事内容
介護職のお仕事は、大きく2つに分けられます。1つは「身体介護」で、要介護者の身体に直接触れる介助を指します。もう1つが「生活援助」で、要介護者の身体に直接触れない、掃除や洗濯、買い物などのサポートが中心となります。
身体介護の例
移乗介助
移乗介助とは、要介護者の「動き」を補助するサポートを指します。具体的には、歩行や車いすでの移動の介助、車いすへの移乗などのほか、要介護者の状態によっては起床の介助などが必要なこともあります。車いすなど、介助に使用する機器類の安全確認も、お仕事の1つで、相手の状態をよく把握し、状況に応じて対応することが求められます。
入浴介助
入浴の準備に始まり、衣類の脱ぎ着や、浴室に一緒に入って身体の洗浄や洗髪などの介助を行います。浴槽のお湯やシャワーの温度、要介護者の転倒防止など、細部にわたる注意が求められます。加えて、要介護者の人としての尊厳を損なうことがないよう、介助中の言動にも細心の配慮が求められます。
排せつ介助
トイレへの移動や、衣類の脱ぎ着を介助したり、おむつ交換を行うなど、要介護者の排せつを助ける介助全般のことです。手を動かしながら、排せつ物の状態を見て、要介護者の健康状態を把握することも、お仕事の1つで、衛生面に配慮するだけでなく、ここでも要介護者の人としての尊厳に配慮した、細やかな気配りが欠かせません。
生活援助の例
掃除
介護サービスの利用者ご本人が暮らしているスペースの掃除や、ゴミ出しなどを代わりに行います。
食事の準備
介護サービスの利用者ご本人の日常の食事について、調理や配膳、下膳、片づけなどのサポートを行います。
買い物
食材や日用品など、介護サービスの利用者ご本人の日常生活に必要な商品の買い物を、ご利用者の自宅近隣の店舗で代行します。
洗濯
洗濯に関わる一連のサポートです。介護サービスの利用者ご本人の衣服やベッドシーツ、タオル類などの洗濯や乾燥、洗濯物の取り入れから収納、アイロンかけなどを行います。洗濯をとおして、失禁や食べこぼしが増えていないか、着替えがきちんとできているのかなどを確認することも大切です。
就活において介護業界が求める人物像
基礎的な体力がある人
介護の仕事では介護者を車いすに移動させたりすることはもちろん、夜勤ではたらくこともあり体力が必要です。
ストレスコントロールができる人
一般的にはコンプライアンスに則っていて適切な介助だと考えられる働きかけをしたとしても、それが要介護者の本当に求めているサポートでなかった場合「余計なお世話だ」「迷惑だ」「イライラする」といった感情を投げかけられてしまうことがあります。
冷静な判断ができる人
介護者それぞれの視点に立ち、その人が今どういった気持ちで、どういったサポートをを求めているのかを予測し、気持ちに寄り添い、考えたうえで行動に移す必要があるのです。
就活で内定を勝ち取る志望動機の書き方
介護職は特にこれが重要というものはなく、一般的な志望動機のフレームワークを抑えて書くことが大切です。
「なぜ介護職を選んだのか」「なぜその企業なのか」を明確にする
数ある業界の中でもなぜ介護職を選んだのかについてしっかりとした理由を準備しておかなければ、熱意が感じられにくく信憑性に乏しい志望動機になる可能性があります。
「なぜその企業なのか」を明確にしたうえで志望動機を考えなければ、どの企業にも転用できそうな特徴のない内容になってしまい、採用担当者にこちらの熱意をアピールしにくくなってしまいます。
企業が求める人物像を把握する
「うちの企業で働いてもらいたい」「この人材と一緒に仕事をしたい」と採用担当者に感じてもらえるかが重要です。
志望する企業の人物像の企業研究を行いどのような人物が求められているのかを把握しましょう。
入社後のビジョンを明確にする
その企業へ入社した後どのように活躍していきたいのか、どのようになりたいのかについて明確にしましょう。
面接でみられている点
人柄
真面目さ、前向きさ、コミュニケーションスキルなど人柄の部分が重視されます。介護の仕事は介護者やご家族など人とかかわることが多く、信頼関係を築くことが重要です。
熱意
介護の理解や熱意を確認することで真摯に仕事に取り組める人間か、介護職として活躍できる人材化を見極めています。
介護職への適正
長所や短所の質問をして介護職に向いている人材かを判断します。
まとめ
新卒で介護職に就くのは決してもったいなくありません。
ゆくゆく介護業界で働きたいと考えているのであれば、早いうちに介護職に就き資格を取得して経験やスキルを高めることをおすすめします。
まずは、介護職でどのように働きたいのかなど将来のキャリアプランを考えてみましょう。
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