教育業界と言うと[学校の先生」や[学習塾で働く人」などをイメージする就活生が多いのではないでしょうか?
教育業界は[これから少子化の影響を受けて市場規模が減少していく業界」だと言われていますが、実は日々新しいビジネスモデルが生み出されており、市場規模は拡大しています。
本記事では、教育業界の業界動向だけではなく主な職種の仕事内容、優良企業までわかりやすく解説していきます。
教育業界とは?
教育業界というと、小学校などの初等教育、中学校・高校などの中等教育や、専門学校から大学・大学院などの高等教育での学習や受験などに関連するサービス、学習塾や予備校などをイメージする就活生が多いのではないでしょうか?
しかし教育業界では、上記の対象者向けのサービスだけではなく、社会人はもちろん乳幼児から高齢者まで全ての人を対象に[学ぶこと」に関する事業を展開しています。
教育業界に含まれる企業は、乳幼児から社会人までの公文式学習を実践している[KUMON]や、個別指導学習塾の[スクールIE」、幼児教室や子ども向け英会話スクールを運営している[やる気スイッチグループ]、そして多種多様な通信講座を提供している[ユーキャン]などが挙げられます。
業界の動向
進学向け、社会人向け
小・中・高校生を対象とした「進学向け」と、キャリアアップを目的とした「社会人向け」の2つに大別され、進学向けでは少子化により子どもの数は減っているものの、新しい業態やサービスといった販路拡大により、堅調な伸びを見せています。
社会人向けでは高齢化に伴い定年後の自己啓発や各種講座へのニーズが高まっています。また、キャリアアップ、独立志向、再就職のために各種資格や外国語検定の取得を目指す人も増加傾向にです。さらに、外国語を中心とした乳幼児向けの教育プログラムも拡充しています。
小中・中高一貫教育校
1998年の学校教育法改正により、公立学校での中高一貫校が新設されるようになりました。
6年間一貫教育を行うことで、これまで高校で教えていた内容の前倒し履修や、部活も含め中高の円滑な交流が可能になるなどの利点があります。
また、小中合わせて9年間の義務教育を一貫して行う学校も徐々に増えてきています。
市場は?
少子化が続く厳しい市場環境が避けられない中でも、教育関連市場は、底堅い需要を見せ売上は堅調です。2020年こそコロナ禍で前年度比2.7%減とりましたが、2021年度でコロナ前の2019年の事業者売上高(2兆7,746億8,000万円)を上回りました。
感染防止策を講じた上での学習サービスを概ね提供できたことに加えて、オンラインの併用によるサービス提供体制が整ったことがプラスに働きました。
少子化で二極化
大都市と地方都市での事業環境の格差が拡大し、二極化が進んでいます。各社は生徒に魅力や差別化を伝え、早期に囲い込んで顧客化し収益性の維持・向上を目指しています。
さらに、近年は個別指導を取り入れる学習塾が増加傾向にあり、集団指導から個別指導への移行は大きな流れとなっています。個別指導では、学校の補習だけでなく、受験を意識した授業に力を入れる学習塾も増えています。
オンライン授業を実施したことで、これまで教室がなかったエリアへも商圏が拡大し、全国の学生が潜在顧客になったことをプラスに捉える企業もあり、再編が徐々に顕在化していくと予想できます。
教育業界に関わる職種
講師
教育現場の最前線に立ち、受講者の学力や目的、適性に応じて授業や講義を実施します。
授業がない時には、試験問題の作成・事務作業・生徒の質問や悩み、保護者への対応・校舎の運営などもおこないます。
講師は学校の教員と異なり、教員免許などは必要ありません。
サポートスタッフ(試験問題研究・編集制作)
生徒・講師にとって通いやすい・働きやすい環境を整えることが事務の役割です。
具体的には、教室の清掃や授業の準備、書類作成、データ入力、お問い合わせ対応など、学びの場の運営に必要な業務を担当しています。
また予備校には事務とは別に、学生をサポートするチューターという職種があります。チューターは主に大学生が役割を担っており、学生の学習サポートや進路相談、日常生活の悩み相談を受けています。
営業
ユーザーに対して自社サービスの活用・導入を提案する職種で、教育業界において欠かせない職種の1つです。
例えば学生向けの教材を商材としている企業の営業であれば、学校や学習塾・予備校に対して、その商材を活用してもらえるようにアプローチをおこないます。
法人向けの研修サービスを提供している企業の営業であれば、クライアント先企業のニーズを満たした教育コンテンツの導入を提案するでしょう。
マーケティング
集客に向けた広報宣伝物の企画や制作、広告運用などをおこないます。その他にもパンフレットやホームページの制作などクリエイティブな仕事も担当します。
教育業界の優良企業とは?
株式会社ベネッセホールディングス
株式会社ベネッセホールディングスは、子会社37社および関連会社8社で構成されており、各社は[国内教育][Kids&Family][介護・保育]という3つの事業セグメントを中心に事業を展開しています。
具体的には、ベネッセコーポレーションや東京個別指導学院などの企業が教育事業をおこなっています。
ベネッセコーポレーションは、幼児向け通信教育講座[こどもちゃれんじ]や小学生から高校生を対象とした通信教育講座[進研ゼミ]、高校生を対象とした大学入試模擬試験[進研模試]などを提供しており、また東京個別指導学院は個別指導塾・学習塾を運営しています。
株式会社学研ホールディングス
株式会社学研ホールディングスは、連結子会社75社・非連結子会社18社・関連会社14社で構成されており、大きく[教育分野]と[医療福祉分野]の2つの事業を中心に展開しています。
[教育分野]はさらに[教室・塾事業][出版コンテンツ事業][園・学校事業]の3つにわけることができます。
[教室・塾事業]に含まれる企業は、教育・塾事業を運営している[市進ホールディングス][学研塾ホールディングス][早稲田スクール]などです。これらの企業では幼児から中学生を対象にした学研塾・進学塾を運営しています。
[出版コンテンツ事業]では学習参考書や教材の開発・販売などを、そして[園・学校事業]では教科書・教師用指導所などの製作・販売をおこなっているなど、幅広く事業を展開しています。
ヒューマンホールディングス株式会社
ヒューマンホールディングス株式会社は、持株会社のため子会社に対する経営指導や管理などをおこなっています。
教育事業を展開している子会社は、[ヒューマンアカデミー株式会社][ヒューマングローバルコミュニケーションズ株式会社][ヒュー万スターチャイルド株式会社]などです。
これらの企業では、教育現場と企業・行政を繋いで実践教育を実現するための[社会人教育]や世界で活躍できる人材を育成する[国際人教育]などに力をいれた事業を展開しています。
まとめ
本記事を通して、教育業界の業界動向やビジネスモデル、仕事内容について理解を深めることはできましたでしょうか?
就活で自分が志望している業界の選考を突破するためには、業界に関連する情報を集め、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
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