皆さんは「デザイナー」と聞いて、どのような職業を想像しますか?
デザイナーといっても、衣服のデザインを考案するファッションデザイナーや、生活用品、自動車など製造物をデザインするプロダクトデザイナー、Webサイトに関係するWebデザイナーなど、さまざまなデザイナーがいます。
そこで今回は「デザイナー」の主な種類と仕事内容をまとめてご紹介します。
そもそもデザイナーとは
デザイナーとは文字通り、製品やポスター、雑誌書籍の表紙やレイアウトなど、さまざまなもののデザインを手がける仕事です。
最初にお伝えした通り、デザイナーの活動する業界は多岐にわたるため、活動内容によって求められる知識やセンスも少しずつ異なります。どのデザイナーにも共通していえることは、「クライアントや依頼者の求めに応じたデザインを考案する仕事」ということです。
クライアントの商品やサービスに対する顧客層と、機能性、コストなど、さまざまな条件を踏まえた上で、最適なデザインを考案することがデザイナーの仕事といえるでしょう。
デザインにかかわる仕事は大きく分けて4つ
ビジュアルデザイン
広告・ポスター・パンフレットをはじめ、雑誌や書籍のレイアウトなど、主に平面的な物をわかりやすく的確に見せ、美しく魅力的に伝えるためのデザインをします。
Webサイトをデザインするなど、CGを使った画像や動画の制作、商品の包装や容器などのパッケージが専門の仕事もあります。
プロダクトデザイン
ありとあらゆる工業製品を企画・設計する仕事です。
おもちゃや文房具などの小さな物から、生活雑貨、家具、テレビや冷蔵庫などの家電製品、車・バイク・自転車、さらには電車やバスなどの輸送機器まで担当します。
スペースデザイン
商業ビルや店舗、オフィス、住宅はもちろん、建物の外観やガーデンなど、さまざまなスペースを設計・デザインし、ディスプレイや素材の配置を考えるなどして、空間を作り上げます。
さらに、それらの空間を構成するための家具や照明などのデザインも手がけます。
ファッションデザイン
服飾全般だけでなく、帽子・靴・バッグなどのアイテム専門のデザイナーもいます。
代表的なデザイナーの種類と仕事内容
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーは、ポスターや雑誌の広告、フライヤー、商品のパッケージなど、主に印刷物をデザインする仕事です。
実際の制作では、企画内容や商品のコンセプト、ターゲット顧客層に合わせたデザインを考案する他、ポスターなどのデザインによっては、イラストレーターやコピーライターたちとチームでデザインを作ることもあります。
広告代理店や制作プロダクション、企業の商品開発部や宣伝部に社員として勤めるケースが多いですが、フリーランスとして活躍する方もいます。
Webデザイナー
Webデザイナーは、さまざまなWebサイトのデザインを行う仕事です。Webサイトの見栄えだけではなく、そのサイトの目的やコンセプトを考慮し、ユーザーにとって、どこに何があるか、分かりやすく使いやすいデザインの作成をすることがWebデザイナーに求められます。
一般的に、Webディレクターを中心にプロジェクトチームを組み、他の業務を果たすスタッフと連携して1つのWebサイトを作成することになります。
CGデザイナー
CGデザイナーは、二次元や三次元のコンピューターグラフィックス(CG)を制作する仕事です。
映画やゲーム、アニメなどの映像作品の他、建築物や機械の設計など、活躍分野は多岐にわたります。会社に所属する方も多くいますが、経験を積んでフリーとして独立するケースも多くみられます。
エディトリアルデザイナー
エディトリアルデザイナーの仕事は、写真、イラスト、図表、文章など、印刷物に使う素材を限られたスペースに効果的に配置します。
単にスペースに必要な要素を収めるだけではなく、編集者の意図や雑誌のテーマをしっかりと把握し、誌面全体にその流れを盛り込んだデザインをしていきます。
ブックデザイナー
ブックデザイナーの仕事は、カバー、表紙、本文用紙など、一冊の本の造形をデザインします。エディトリアルデザイナーが仕事を兼ねることもあります。
ゲームデザイナー
ゲームデザイナーは、家庭用ゲーム機やソーシャルゲームなどの、キャラクターや背景、アイテム、作品内で使われるイラストなどをデザインする仕事です。 ゲームデザイナーの仕事は、主にゲーム内の絵を中心にデザインする場合や、ゲームの世界観やストーリー、ゲームシステムなど、ゲーム全般のデザインを決める場合など多岐にわたります。なお、前者は「ゲームグラフィックデザイナー」と呼ばれることもあります。
UI/UXデザイナー
UIとはユーザー・インターフェースの略で、ユーザーがパソコン、スマートフォンなどを操作する際の表示や入力などを意味します。UIデザインでは、パソコンなどの画面で操作しやすい表示やデザインを考えます。 一方、UXはユーザー・エクスペリエンスの略で、主にWeb上のサービスになどによって得られるユーザーの体験全般を指し、UXデザインでは、アプリケーションなどの使い心地のよさを追求して考えます。
両者のデザインには密接に関連する部分もありますが、別々の領域に属する部分もあります。職業としての歴史がまだ浅いため、今のところ1人で両方を兼任するケースが多いですが、中にはUIとUXのデザインを別個に担当する場合もあります。
DTPデザイナー
DTPデザイナーのDTPとは「Desk Top Publishing」の略で、パソコンで専用のDTPソフトを使い、雑誌や書籍、広告やポスターなど、印刷物のデザインから入稿データの制作までを行う仕事です。
インテリアデザイナー
インテリアデザイナーは、家屋や室内にある家具や装飾、照明など、内装全般の企画と設計に携わる仕事です。個人の家だけでなく、店舗やオフィス、学校や美術館など、あらゆる空間のインテリアを担当します。 クライアントの要望に応じて、デザインコンセプトを作成し、空間全体の色調から造作、照明、音、温度に至るまで、総合的に監修し、空間を演出します。
パッケージデザイナー
パッケージデザイナーの仕事は、商品の内容や魅力が消費者によくわかり、思わず買いたくなるような容器や包装、袋・箱などのパッケージを専門にデザインする仕事です。
商品内容や魅力、ターゲットのニーズ、ブランドイメージ、使用する素材と商品の相性などを考慮し、思わず手が伸びるようなデザインを生み出していく必要があります。
デザイナーになるために資格やスキルは必要?
デザイナーになるために必須な資格はありません。デザイナーの世界は、個人のクリエイティブスキルが決め手になる実力の世界です。したがって実力さえあれば、デザイナーになるために何かの資格が求められることはありません。
ただし、どのデザイナーの制作現場でもPhotoshop、Illustratorといったデザインソフトが欠かせません。これらのソフトを使えることを証明する手段として「Photoshopクリエイター能力認定試験」「Illustratorクリエイター能力認定試験」などに合格しておくことをおすすめします。
また、あなたがなりたいデザイナーの種類にマッチした資格、例えば「DTPエキスパート」「色彩検定」などにチャレンジするのもよいでしょう。試験勉強を通してデザイナーとして必要な知識を身につけることができるからです。
それから、専門学校卒業やWebスクールの修了は必須ではありませんが、一定の期間をかけて専門知識を学んだという経歴は、就職試験の際に評価されることもあります。
まとめ
今回は、世にあふれるたくさんの「デザイナー」という職業の中から、10種類の仕事内容をご紹介しました。
どのデザイナーにも共通していることは、デザインを仕事にするために必須の資格や経歴はないということです。しかし、自身のスキルを証明するためにデザイン関係の資格を持っていたり、スクールで学んだりした経験があった方が有利なケースもあります。
また、インターネットが普及し、印刷物の需要が減っているため、デザイナーの世界でも需要が増加している職種もあれば、需要が減少している職種もあります。これからデザイナーを目指す方は、このような社会の動向にも注視してスキルアップを検討したり、キャリアデザインを考えましょう。
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