ブライダル業界は幸せの瞬間に立ち会えることから、華やかでキラキラしているイメージを持っている就活生が多いと思いますが、実際の業務イメージはできていますか?
この記事では、ブライダル業界の特徴や職種について解説。ブライダル業界に向いている人の特徴も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ブライダル業界とは?
ブライダル業界とは、ホテルや結婚式場を使って結婚式や披露パーティーを実施されるお客様にサービスを提供する企業を総称した業界のことを指します。
ブライダルは、人生の中で大きなイベントの1つである「結婚」に関わる仕事で、新郎新婦だけでなく親族や友人などにとって一生の思い出となる日をサポート・プロデュースする仕事です。
ブライダル業界の歴史
ブライダル業界が確立したのは、近代になってからといわれています。昭和初期には料亭で結婚披露宴が行われるようになり、結婚式場が広く認知されるようになりました。
1970年代に入ると、東京オリンピックや高度経済成長の影響により、ホテルでの婚礼が増加し始めます。80年代や90年代には、挙式と披露宴を同一の場所で行える専門式場が人気になりました。また、バブル崩壊によって企業利用の減ったホテルが、本格的にブライダル事業に参入してきた時期でもあります。
さらに、ブライダルの情報誌が刊行されるようになり、結婚式や披露宴に関する情報が簡単に手に入る時代になりました。このような流れでブライダル事業は「業界」として確立し、現在に至るのです。
ブライダル業界の仕組み
ブライダル業界は挙式を提供する「結婚式場の運営企業」が結婚式をあげたい「新郎新婦」にプランニングしたサービスを提供し、それに対して費用をもらうことで成り立っています。
「新郎新婦」は数ある式場からお気に入りを見つけるために、ゼクシィなどの「媒体」を利用し、選択・見学をした上で式場を決める流れが主流です。
そして気に入った式場を見つけたら「結婚式場の運営企業」に予約する流れになります。
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ブライダル業界の現状
現状のブライダル業界は、入籍だけで結婚式を行わない「なし婚」、金銭的な負担を軽減する「スマ婚」がトレンドとなっています。1980年代バブル期の「派手婚」、1990年代の「地味婚」、2000年代の「アットホーム婚」と年代ごとに変化し、今の状況になりました。
また、年々婚姻数が減少している点にも注目しなければなりません。
厚生労働省の「令和2年(2020)人口動態統計(確定数)の概況(p.3)」によると、令和2年度の婚姻件数は52万5507組でした。前年度の59万9007組よりも7万3500組減少しています。婚姻数の減少は、ブライダル業界にとって重要な課題です。
ウェディングの形式
ホテルウェディング
ホテルウェディングの魅力は「知名度と格式の高さ」「宿泊施設とアクセスの利便性」「質の高いサービスを提供していること」が挙げられます。
費用感によって、30人前後の小規模から100人以上の大規模なものまで新郎新婦に合わせた式場を作り上げます。
宿泊・宴会・レストランなどの複合施設であるホテルは、新郎新婦はもちろんのことゲストへの配慮もできますが、1日の婚礼組数が多く、時間に制限があることでバタついてしまうことがよくあります。
ホテルウェディングを提供している企業の一例は「ツカダ・グローバル」「テイクアンドギヴ・ニーズ」です。
専門式場・神社ウェディング
専門式場・神社ウェディングの魅力は「本格的なチャペルや神殿での挙式」「着付けや美容などゲスト向け設備も充実している」「高級感がある」ことなどが挙げられます。
「専門式場」は宴会場や挙式会場を複数有しており、「神社」は伝統的な神前式を行い、挙式や各家同士が結びつくことを重んじるカップルに人気です。
施設設備、知名度、扱っている商品の多さなど、どこを見ても過不足なく平均点が高いことも魅力でしょう。しかし休日の一日あたりの挙式組数が多く、ロビーなどの共有スペースには常に列席者や見学者など大勢の人がいることがあります。
専門式場・神社ウェディングを提供している企業の一例は「ワタベウェディング」「エスクリ」です。
レストランウェディング
レストランウェディングの魅力としては「料理がおいしい」「内装のテイストや雰囲気が様々である」「自由度が高くアットホームな雰囲気」が挙げられます。
通常はレストラン営業をしている店を貸し切るため、新郎新婦とゲストの距離・ゲスト同士の距離が近く、アットホームな雰囲気を重視するカップルに人気です。
披露宴仕様のプランを用意をしていないレストランとは密な連携が必要ですが、最近では挙式を前提としたお店も出てきています。しかし、招きたいゲスト数とレストランの大きさによっては「狭かった」といった声もあります。
レストランウェディングを提供している企業の一例は「愛野グループ」「テイクアンドギヴ・ニーズ」です。
ゲストハウスウェディング
ゲストハウスウェディングの魅力は「貸し切りが可能」「自由度の高い演出も可能」「非日常感が味わえる」ことが挙げられます。
結婚式を専門として建てられた会場なので、チャペルなどの設備も充実しています。一軒の邸宅を貸し切って挙式を行うため、レストランとは違った意味でのアットホームな結婚式を挙げたいカップルに人気です。
新郎新婦のやりたいことに寄り添いながら非日常感溢れた式を作り上げることができます。しかし天候に左右されたり、非日常感を出すために駅から遠い場合もあります。
ゲストハウスウェディングを提供している企業の一例は「ツカダ・グローバル」「アイ・ケイ・ケイ」です。
ブライダル業界の職種
ウェディングプランナー
ウェディングプランナーとは、担当する結婚式や披露宴全体をプロデュースする職種です。ブライダル業界のなかでも1番人気の職種といえます。
ウェディングプランナーの仕事は、大きく分けて「営業」「企画」「運営」の3つです。
営業では、結婚式を行いたい新郎新婦に対して自社サービスの説明を行います。営業して契約できなければ、結婚式は始まりません。
契約が行われると、結婚式に向けて新郎新婦とどんな結婚式にしたいかの打ち合わせを行い、唯一無二の結婚式を作り上げます。また、新婦新婦の対応だけではなくドレスコーディネーターさんや音響さんとのやりとりもあります。
結婚式当日では、問題なく進行できるように司会者との連携やスタッフへの指示を行ったり、新郎新婦の緊張をほぐしてあげたりと全体の管理をします。
「営業」と「企画」「運営」が分かれている、もしくは「営業」「企画」「運営」を1人が最初から最後までサポートする方法の2通りあり、企業によって異なります。
バンケットサービス
バンケットサービスは、式場やパーティーで料理や飲み物の配膳を担当する職種です。式場や企業によっては、当日のサービス全般を担当する場合もあります。
配膳以外にも、荷物を預かる場合も。参加者が多いほどサービススタッフも増えるので、スタッフ同士のコミュニケーションをサポートしたり、進行するための判断力が求められたりします。
ドレスコーディネーター
ドレスコーディネーターは、新婦のドレスをアレンジし、演出を行う職種です。基本的なデザインや流行など、新郎新婦の要望に応じてコーディネートを行います。服飾や色彩に関する知識が必要になるので覚えておきましょう。
フラワースタイリスト
フラワースタイリストは、式場にある生花をコーディネートする職種です。予算に応じて、希望に沿った装飾が求められます。
ブライダル業界に向いている人の特徴
コミュニケーション能力がある
結婚式を成功させるためには、新郎新婦のニーズを聞き、実現させる力が求められます。
また、結婚式では調理スタッフや進行スタッフなど、多くの関係者と連携をとって進めなければなりません。コミュニケーションをとり、協力して進められる人材はブライダル業界で活躍できるでしょう。
目標に向かって長期的に努力できる
結婚式という目標を実現するため、努力できる点も大切です。また、結婚式まで長期的な準備が必要なので、継続性がある点も重要でしょう。
結婚式によっては、1年かけて準備する場合もあります。準備を怠らず、成功という目標に向かって努力し続けられる素質が重要です。
笑顔で前向きに仕事ができる
明るくポジティブに振る舞えれば、結婚式を盛り上げる要因にもなるでしょう。
また、結婚式に参加する新郎新婦は、式が成功するか不安を抱えている場合もあります。不安や悩みを抱える方々に明るく接し、ポジティブにできる人は活躍できるでしょう。
プレゼン能力が高い
プランナーのお仕事をしたい方に限った話ですが、必要な能力です。
どのような結婚式か説明する、プレゼン能力も求められます。結婚式をどのような内容にするか、的確な説明やアピールができれば、契約を獲得できるでしょう。
また、伝える能力だけではなく、聞く能力も求められます。満足のいく結婚式を実現するためには、新郎新婦の意見を取り入れなければなりません。ニーズを満たしたうえで、納得してもらえるプレゼン能力が必要となります。
まとめ
本記事ではブライダル業界について、業界の仕組みや動向、職種などについて紹介してきました。
ブライダル業界は市況やトレンドなどに大きく影響を受けながらも、時代のニーズに合わせて変わり続けてきました。
ブライダル業界を志望している人は、変化をいち早くキャッチアップしながら業界理解を深めていく必要があるでしょう。
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