「早期選考って何?」
「早期選考を行っている企業の見つけ方がわからない」
このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。
近年、優秀な学生を採用するために早期選考を実施する企業は増えており、就活解禁日前にすでに内定を出しているといったケースも見受けられます。
早期選考をおこなう企業の目的やポイントを把握すれば、効果的な早期選考対策ができます。
早期選考とは?
早期選考とは、就活解禁前に選考を実施することを指します。企業が、就職活動が本格化する前段階から学生と接点を持ち、なるべく早く優秀な学生を囲い込みたいという意図があって実施されるものです。
早期選考のスケジュールは?
早期選考を実施する企業は、大学3年生の10月頃からエントリーや面接が開始され、就活解禁の3月には内定を出しているケースが多いです。
また早い企業だと、大学3年生の夏頃から選考をスタートするケースもあります。サマーインターンシップが開催され、参加した学生が早期選考に進めるといった流れが多いといえます。そのため、遅くとも3年生の秋までに自己分析や業界研究を終わらせておくことが必須です。
ただし、あくまでも企業によって早期選考のスケジュールや選考フローは異なるため、採用サイトなどをよく確認するようにしましょう。
早期選考に参加し、就活解禁日の前に内定を獲得できれば、周りよりいち早く就活を終了できるのはもちろん、気持ちに余裕を持って残りの就職活動に専念することができます。
早期選考を実施している企業
・外資系企業(コンサル、金融、メーカ、IT)
・日系企業(金融、IT)
・総合商社
・マスコミ
早期選考を逃すと来年まで選考を受けられない企業もあります。外資系企業に多いスケジュールなので、外資系企業を志望する就活生は早めの準備が欠かせません。
早期選考の内定率
2024年卒の2023年3月1日時点での内定率は30.3%です。約3割の学生が早期選考で内定を獲得していることになります。2023年卒の3月1日時点の内定率は22.6%だったので、1年で3月1日時点の内定率に約8%の差が出ていました。
新卒一括採用を疑問視する意見や議論がでており、今後もますます早期選考が活発化していくと見込まれています。3月のエントリー開始に照準を合わせて準備を開始すると、スタートダッシュに出遅れる可能性があります。
余裕を持って選考を進めるためにも早めの準備が必要です。
企業が早期選考を実施する理由
企業が早期選考を実施する理由を把握しておくと、早期選考の対策を効果的に進められます。なぜなら、企業が求める学生像の理解につながるからです。
理由を理解しないまま早期選考に取り組むと、的外れな対策をしてしまう可能性があります。早期選考対策を始める前に、企業が早期選考を実施している意図を把握しておきましょう。
優秀な学生を確保するため
就活における「売り手市場」が早期選考の活発化につながっています。企業の採用予定人数に対して就活生の応募数が少ない状況が売り手市場です。つまり、企業も早めに動き出さないと、ライバル企業や他業界に優秀な人材が流れてしまうわけです。
また、優秀な学生は早めに就活準備を済ませて選考を受けているため、エントリー開始時期が遅いとすでに就活を終えている可能性があります。
早い時期から就活に備えて準備をしている優秀な学生を確保するために、企業は早期選考を実施しています。
選考スケジュールに余裕を持たせるため
6月1日の面接解禁以降に内定を出し始めると、採用活動の終盤に差し掛かっても採用予定人数に届かない可能性があります。
また、6月以降になると内定を出す企業が増えて就活を終了する学生が増加するので、採用活動がより難航します。
とはいえ、予定人数から大幅に少ない人数しか採用できていない場合は、採用活動を継続するほかなくコストや時間がかかることに。
採用予定人数に届かず終盤にダラダラと採用活動を続けるという事態を避けるために、早期選考を実施して早めの人材確保に努めています。
早期選考のためにできる対策は?
自己分析を徹底する
選考のタイミングが早くなっても、企業はあなたという人物をしっかりと理解し、入社後に活躍してくれる人材であるかを見極めたいことに変わりはありません。選考の場であなた自身の魅力や、入社して何を成し遂げたいのかを明確に伝えられるように、自分自身をしっかり振り返ることが大切です。
業界・企業分析を徹底する
志望している企業の特徴や競合との違い、業界がどのようなトレンドなのかを理解することで、志望動機を考える際にも役立つでしょう。
選考の場では「なぜ当社を志望したか?」と聞かれるケースが多々あります。これは早期選考であっても通常の選考であっても同じで、応募してきた学生の熱量を推し量る意味で面接官は質問します。仮に業界・企業分析をしっかり行えていない場合、表面的な回答になり、あなたの入社したいという意思を伝えきれないでしょう。
ES(エントリーシート)の完成度を高める
限られた準備期間の中で、いかに内容の濃いESを作成できるかがポイントです。
ESでは多くの場合、文字数の制限が課されているケースがあり、いきなりうまく書こうとするのは困難です。まずは自己分析で自分自身をしっかりと振り返ったうえで、強みやキャリアに対する考えが志望する企業でどのように活かせるのか・実現できるのかを整理するようにしましょう。
面接対策を徹底する
回答する内容については自己分析、業界・企業分析によってある程度固められるのであとは伝え方です。
面接では、面接官と対話をしながらあなたの考えや思いを伝える必要があります。つまり、面接官の質問に対し端的に回答し、双方向のコミュニケーションが発生するように心掛けることが重要です。結論を最初に伝えつつ小出しにしながら、面接官から多くの質問を引き出すよう意識してみましょう。
例えば、一方的に時間を使って回答してしまった場合、面接官に「話にまとまりがない」と感じさせてしまいます。面接での評価が低いと、どれだけ魅力的なESを書いても、業界・企業分析をしても内定を獲得するのは困難です。
端的な内容で、面接官との会話を意識しながら面接に臨みましょう。
グループワークの形式に慣れておく
早期選考を突破するためにはグループワーク対策が非常に重要です。なぜなら、早期選考ルートにつながるインターンがグループワークでおこなわれているからです。
選考を突破して参加したインターンのグループワークで高い評価を得た学生は、早期選考に案内されるケースも多くあります。反対に、グループワークで活躍できなければ早期選考ルートからはじかれてしまうかもしれません。
とはいえ、慣れないグループワークで力を発揮るのは難しいでしょう。練習してグループワーク形式に慣れておく必要があります。
早期選考を受ける6つのメリット
①早い時期から本選考を経験できる
就活ではWeb適性検査や面接、グループワークなどすべてにおいて数をこなすことが非常に重要です。
初めての面接では緊張するかもしれないですが、面接経験を重ねていくごとに緊張は和らぎます。部活動の初試合と比べて経験を積むごとに普段通りの動きができたという人も多いでしょう。就活においても同様です。
また、面接で何度も似た質問に答えることで回答の練度を高められます。早期選考を受ければ早い時期から本選考を経験できるため、本命企業の選考では周りの就活生よりも前に出た状態でスタートを切れます。
②内定が早めにもらえて就活に余裕が生まれる
6月1日の面接解禁まで内定がないと「内定をもらえないまま卒業を迎えてしまうのではないか」「周りの友人は内定を獲得しているのにどうして自分だけ」と不安に感じるでしょう。
不安を抱えたままでは自信を持てず、選考時の表情や態度に表れてしまうことも。内定がない不安から気分が落ち込んで態度や表情に表れてしまい、面接官に良い印象を与えられないまま面接に落ちるという負のスパイラルに陥ってしまいます。一方で、早期選考を受けて内定を獲得していると、精神的に余裕が生まれます。
また、内定があると選考を受ける企業を絞れるので、必要以上にエントリーシート(ES)を書いたり、面接を受けたりする必要はありません。入社したい企業を厳選して選考を受けられるので、時間的にも余裕が生まれます。
③内定後の自由に使える時間が長くなる
早めに内定を獲得しているので就活を終える判断は自由です。そのため、本命企業から内定をもらっていれば納得した形で就活を終えられます。
外資系企業やメディア業界を志望している人は、大学4年生を迎える前に就活を終える選択をする人も多いでしょう。
④優秀な就活生とのつながりができる
早期選考を受ける学生は就活へのモチベーションが高いと言えます。また、インターン選考を突破して早期選考ルートに乗っている学生もいて、優秀な就活生に出会える機会が多いでしょう。
また、同じ企業の早期選考を受けていることから似た業界や企業を志望している可能性があり、有益な情報を交換しあえる仲に発展するかもしれません。
⑤落ちたとしても自分の弱点に気づける
落ちた理由を見つめ直すことで、自分の弱点を把握してこれからの選考に活かせます。
「どの選考で落ちたのか」「落ちた原因はどこにあるのか」などを考えながら、弱点を克服していきましょう。
⑥一部の選考を免除される可能性がある
インターン選考やインターン当日の姿を見て参加可否が決められる早期選考では、すでに学生の力をある程度は図れているため、一部の選考が免除される可能性があります。
免除される可能性がある選考は、Web適性検査やグループワーク、一次面接などです。インターンをグループワーク形式でおこなう企業は多いので、インターンで十分なアピールができればグループワークは免除されます。
企業によってはインターンの選考にグループワークを用いて、インターン参加者全員のグループワークを免除するところもあります。
また、人となりを見るケースが多い一次面接もグループワークと同様。本命企業の選考突破確率を高めるために、早期選考を受けるのは1つの選択肢です。
早期選考への5つのルート
①インターンシップに参加
企業にとってインターンは、業務を体験して仕事内容や企業風土を理解してほしいというほかに、優秀な学生を選別したいという狙いがあります。
そのため、インターンでグループを上手に取りまとめたり、斬新なアイデアを提案したりして自分の魅力をアピールできていると、企業から早期選考の連絡が届く可能性があります。
また、インターン参加者全員に早期選考の案内をしている企業も。インターンのための選考が実施されている企業で、その傾向が見られます。
②OB・OG訪問
OB・OG訪問で高い評価を得られると早期選考に進める可能性があります。大学ごとの専用ページを用意してOB・OG訪問をしやすい環境を整えている企業もあるほどです。
学生には面接では聞きにくいスケジュールや福利厚生などの待遇面を聞けるというメリットがある一方で、企業は優秀な学生を早い段階から集めるというメリットがあります。
そのため、OB・OG訪問で高い評価を得られると早期選考に案内してもらえるケースがあります。
③早期選考をおこなう企業が集うイベント
ベンチャー企業を中心とした早期選考を実施している企業が集うイベントが定期的に開催されています。イベント形式はグループワークや座談会などさまざま。グループワークで優秀と判断された学生には、一部の選考を免除して選考を案内するイベントもあります。
大学3年生の秋ごろから開催されており、早ければ冬のうちに内定を獲得できる可能性があります。
④企業へ直接エントリー
外資系企業やメディア業界はエントリー開始時期が早く、本選考が大学生3年生の冬の間にほとんど終了します。そのため、企業へ直接エントリーすると誰でも早期選考を受けられます。
ただし、これらの業界を志望するのは優秀な学生が多く、ESやWeb適性検査を突破するのも困難です。面接練習をするために外資系企業やメディア業界にエントリーしても、そもそも面接にたどり着けない可能性があります。
まとめ
ここまで解説してきたように、優秀な学生が多く競争率が高い早期選考では、丁寧な準備が必要不可欠です。
選考時期が早く準備期間が限られているため、前もって準備ができていると周囲の学生と差を付けられます。
今回紹介した対策を実践して、自信を持って早期選考に挑んでくださいね。