いくつもの面接を勝ち抜き、最後の難関ともいえるのが最終面接。「最終面接まではいけるのに最後の最後で落ちてしまう」という悩みをよく聞きます。最終面接まで残れたからこそ、あと一歩で不採用になってしまうと落ち込みますよね。
最終面接に対して「意思確認の場」だと思っている就活生も多いですが、能力さえあれば通過できていたこれまでの面接とは違い、ライバルに勝たなければ内定をもらえないのが最終面接です。
スキルや能力として受かるだけの実力があったとしても、他のライバルのレベルが高く採用人数内に入ることができなければ、落ちる可能性も十分にあるのが最終面接ということです。
通過率は?
会社の規模、採用人数、面接回数によってばらつきがあります。
※株式会社アガルート
大企業 :30%~40%
中小企業、ベンチャー企業 :60%
採用人数1~10人 :50~80%
採用人数20人~30人 :30~50%
採用人数100人以上 :30%
面接回数2回 :30~50%
面接回数3回 :50~70%
面接回数4回 :70%以上
最終面接の目的
最終面接では、一次〜最終面接にかけての評価のすり合わせ、経営者視点での採用価値の判断です。
一次・二次面接などでのスキルの確認とは異なり、価値観や人となり、意欲などを見られている、ということを理解して当日に臨む必要があります。
最終面接で見られるポイント
企業とのマッチ度
最終面接まで残れたということは、ある程度のスキルや入社後に活躍できる可能性が評価されたからです。
そのため、最終面接ではその人のスキルが十分にあることは前提として、企業と考えがマッチしているのかという部分を重視しています。なぜなら、企業と考えが合わない人が活躍することは難しく、いずれは居心地が悪くなってしまうからです。
せっかく採用するのであれば、長く働いてほしいと考えるのが一般的です。長く働くためには、企業と同じ方向を向いて働けるかどうかが重要ポイントになります。
自社の考えや価値観がマッチしているか確かめる質問例
ベンチャー企業の場合:「自社の事業に対し、あなたは何ができるか? 何がしたいか?」
中小企業の場合:「自社で、あなたが会社に貢献できることはもちろんですが、地域にどのような貢献ができるか?」
志望度の高さ
内定を出すために企業は多大な労力をかけているため、内定辞退は企業からすると大きな損失になるのです。そのため「内定を出したら入社してくれるか」ということも一つの観点です。
企業研究がきちんとできているか
入社意欲を強くアピールする場合、企業についての知識不足だと説得力に欠けてしまいます。また、入社後その企業で自分が活躍できることをアピールするために、より具体的にその企業について知っておく必要もあります。入社後のビジョンを思い描けるくらい企業について調べましょう。
最終面接の所要時間
30分~1時間程度
最終面接はある程度、それ以前の面接で評価されてきたことを踏まえておこなわれるので、他の面接よりは若干短い傾向にあります。
最終面接を担当する人
基本的に役員以上
企業にとって、人材を採用するということは会社の未来への投資でもあります。これまでの面接官の評価をふまえつつ、「今後企業に貢献してくれる人材か」を経営者という目線で応募者を見極めているのです。
そのため、人材を見極めるときも「今後どの事業でどのような役割を果たしてくれそうか」「理念に共感し、企業についてきてくれる考えや価値観を持っているか」などを特に考えているのです。
面接形式
個人面接が一般的
一次面接や二次面接まではグループ面接もありますが、最終面接は個人面接のほうが多いです。応募者一人ひとりと向き合う時間を作りたいと考えているからです。最終面接の意図は、「意思確認や顔合わせ」「人材の見極め」「企業の魅力付け」になります。
最終面接での事前準備
これまでの面接の振り返り
これまでの面接の内容を深掘りされる可能性を踏まえ、志望動機や将来のビジョンのブラッシュアップを中心におこないましょう。そこで重要なのはこれまでの面接で話した内容との一貫性です。回答がずれてしまうと信憑性にかけてしまいます。
入社後のキャリアプランを考える
入社後どのようなキャリアを歩みたいかも明確にしておきましょう。入社後に企業に貢献できることをアピールするためには、具体的にその企業でどのような成長やキャリアアップをしたいか言語化しましょう。
よくある質問と回答のポイント
当社で実現したいことはありますか?
個人のビジョンと企業で実現できることがマッチしていれば、入社後もモチベーションを持って働ける環境だといえます。入社後も意欲的に働けるかどうかを確かめるために質問する場合が多いです。
改めて志望動機を教えてください。
志望動機は企業への共感を含めて応募者の価値観や考え方を読み取りやすいので、最終面接で改めて聞かれることもあります。
「なぜ志望したのか」の部分の説得力のある伝え方はこれまでの面接同様に意識しつつ、最終面接では入社後のキャリアプランや実現したいビジョンをより具体的に伝えるとよいでしょう。
最後に伝えたいことはありますか?
最後にアピールするチャンスを与えることで、その場での対応力から人柄などを知りたいという意図です。「ありません」と伝えるよりは、感謝の気持ちに加えて、その面接を通して何を学びどう思ったのかを伝えられると好印象でしょう。
最終面接後に好印象を与えるには
最終面接が終わっても気が休まらず、いつ頃、どのような形で結果が来るのか、不安に感じることもあると思います。一般的に、面接から結果通知までは1週間前後だと言われていますので、落ち着いて待ちましょう。
なお、最終面接後はお礼のメールを送ることで、印象UPにもなると言われています。
ぜひお礼メールを送りたいという方は、最終面接の翌日までに送るとよいでしょう。感謝の気持ちに加えて面接の感想や抱負を交えると、あなたらしさが加わり印象に残りやすくなります。
メール送付の重要ポイント
わかりやすい件名にする
件名は具体的でわかりやすいものにしましょう。企業側の選考名に従って「最終面接のお礼」や「役員選考のお礼」とし、また受け取る人が同名のメールで混乱しないよう、件名に面接の日時と自分の氏名も明記してください。
宛名は正式名称で書く
宛名は正式名称で記載します。(株)などと略さず株式会社とし、部署名と役職名、担当者名も省略せずに書きましょう。もし担当者が複数いた場合は、最も役職の高い人を代表とし、他の面接官はCCに入れます。担当者以外の面接官の連絡先がわからない場合は「みなさまにもよろしくお伝えください」といった文を末尾に書き添えてください。
署名も正確に記載する
自分の氏名や連絡先、大学名・学部・学科名などの情報を末尾に記載します。これを署名といい、サインや名刺のような役割を果たします。長くなっても正確な内容で、第三者が見ても確実に連絡が取れる連絡先を記入してください。
署名はメールの末尾に書きますが、誰からのメールかわかりやすくするために、本文にも氏名を入れるようにしましょう。
本文には熱意と抱負も盛り込む
本文には個人的な連絡や質問などを挟まず、簡潔に感謝の気持ちを伝えてください。内容は「お礼・熱意と抱負・お礼のまとめ」の順に書きます。熱意と抱負の部分では、面接内の話題や逆質問した内容などに触れることで、面接内容を意識した抱負にできます。
必ず最終チェックをする
・宛先の内容
ToやCCに入れるメールアドレスに誤りはないか(誤送信しないようアドレスの記入は最後にする)
・メールの件名
件名に「○○面接/○○選考のお礼、面接日時、氏名」を明記しているか
・相手の宛名
面接担当者の役職や肩書は正式名称になっているか
・本文の内容
誤字脱字はないか、すぐに読める簡潔な内容になっているか、文字数や改行、
お礼と熱意のバランスは適切かを確認する
・署名(自分の連絡先)
署名に間違いはないか、記載した連絡先は必ず連絡がつく内容になっているか
・プレーンテキストになっているか
送信するメールがHTMLファイルになっていないか、特殊記号や機種依存文字などがないか
~お礼メールのテンプレ~
件名:
◯月◯日 最終面接の御礼 (名前△△ △△)
本文:
株式会社□□□□
人事部 ■■■■様
本日(昨日)、最終面接を受けました△△と申します。
本日はご多忙の中、お時間を割いて頂き、誠にありがとうございました。
面接を通じて、貴社の革新的な技術と前向きな社風を更に理解できました。特に○○(面接中に話した具体的なプロジェクト名や技術)の話は、私の学んできた○○(関連する学問やスキル)を活かせる絶好の機会と感じております。
それにより、貴社で仕事をしたいという気持ちがますます強くなりました。
良い結果を頂けましたら貴社の一員として、
自分の力を活かせるよう、精一杯努力させて頂きたいと考えております。
取り急ぎ、最終面接のお礼を申し上げます。
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(名前△△ △△)
○○大学 ○○学部 ○○学科
メールアドレス:(メールアドレス)
電話番号:(電話番号)
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まとめ
最終面接まで来たからと言って油断は大敵。準備を怠っていたり、意欲のアピールが足りなかったりすると、充分に不合格となる可能性もありえます。最後まで気持ちを引き締めて、悔いのないように対策をして臨みましょう。
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